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春樹ワールド炸裂(書評:騎士団長殺し 第1部顕れるイデア編)

「騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編」 村上春樹 新潮社

ほとんど発売日に手に入れたのにボリューミーで時間がかかった 汗

表現:5 展開:5 ユーモア:4 総合評価:5

 

ここ2週間ぐらい通勤時間に黙々と読み続け、ようやく第1部読破。

しかし130万部出てるとは聞いているが、

近くで読んでいる人をまったく見ないのはどうなってるんだ...

 

村上春樹の作品について筋書きを書いたところで

それは魅力的な書評にはなりえない。

それは彼の書こうとする世界はあくまで日常に根差していて、

そのうえで普通の人が見逃がしている日常に隣接した異世界、脅威、真実について

表現しようとするからだと思う。

 

そういった、「彼が表現したいもの」は定義づけされた言葉をもたない、

しかし彼のたぐいまれなセンスで、

それをどうにか、我々が使うすでに定義づけされた言葉で表象していくのが

村上春樹作品の特徴だと思う。

自分は初めて彼の作品を読んだとき(読書歴の浅いとき)、

巻き起こった胸のざわざわを「そうか、これが文学か!」と解釈したのであった。

 

説明が長引いたが、例えば普通のミステリーなら

初期設定と初めのプロットをちょろっと書けば面白さが伝わりそうになるのだが、

村上春樹の場合には初期設定が日常すぎるうえに

起こることも物語にしては普通すぎる。

 

春樹作品を楽しむエッセンスは

筋書きではなくて文章中に散りばめられている。

ストーリーに関係なさそうな登場人物の会話やモノローグが

読者に少しずつ村上春樹が「表現したいもの」の輪郭を作らせていくのだ。

 

ここでやーっと本作の内容に触れたいのだが、

もうばりばりの村上ワールドでした。

妻と別れて別居、一人旅、山籠もり、井戸(みたいな)穴、奇妙な近所づきあい、

人妻とのセックス、変わった子供

ハルキストにここに挙げたキーワードでどの作品か当ててもらおうと思っても

十中八苦、本作を当てることはできないだろう。

 

ただ展開として中盤までホラーっぽくて、

読んでいて自分で唾を飲み込む音が聞こえた。

それにしてもまさか本当にイデアが顕れるとは思いませんでしたよ。

 

さて注意深く書いてみたところで、

この書評を読んでよっしゃ読んでみよ!と思う人はそうそういないと思う。

言い訳っぽいけれど、

自分自身、春樹作品について紹介とか解説とかしたものを読んでも、

まったくどんな中身か想像できたことがない。

 

誰も村上春樹が作品で何を表現しているのか言葉にできないということ自体が、

彼の作品のすごさを表している。ましてそれで毎度大ベストセラーだし。

 

まだまだ折り返し地点に過ぎないが、

遅くとも今月中には第2部も読破したいと思います。

そのときどんな書評を書くべきかを考えるとすでに冷汗が出る...

果たしてメタファーは遷ろうのか!?

 

余談ですが、

作品内で日本のミイラについての紹介があり、

それは山形県に多く見つかっていると記述されていたのだが、

山形出身の自分の母が昔、

山形の家の近所にミイラを保存している寺があって小さい頃に見たことがある、

と言っていたのを思い出してゾクゾクした。

気になる方はぜひ本作を読んでみてね! 笑

 

 

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