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百田尚樹と不死身の兵隊と司馬遼太郎が北海道でつながった話

本屋で百田尚樹の「雑談力」(PHP新書)いう新書を買って読んだ。

正直こういうハウツー的な本を読んでいること自体あまり話したいことではない。

自分としては百田尚樹なら面白い内容かしらと思って選んだのだけど、

読んでみたらほとんどハウツー本どころか新書の体をなしていなくてがっかりした。

 

百田さんが好きなようにうんちくを語るのが大部分で、

こんなタイトルつけるんじゃねぇと通勤電車の中で眉間にしわが寄る。

ちなみに百田さんの小説は読んだことないっす。

ちゃんと中身見て買えってことですよね。

 

まあ面白いうんちくもあったし、雑談力についての記述も全部で10ページくらいはあったと思うのでよしとする。

書評として書くほど心動かされたわけではないが、あるうんちくに嬉しくなったので紹介したい。

 

脱獄王の話である。

白鳥由栄という実在した人物なのだが、強盗殺人で収監されてから4回も脱獄するのである。

もちろん脱獄するたびに警備はより強固になるのだが、

特に網走刑務所では食事に出た味噌汁を口に含んでおいて毎日特製の手錠にこっそりかけて錆びさせ、解除したあげくに肩の関節を外してわずかな隙間から逃げたというのだから、もはや映画の話である。

警備が厳重になればなるほど燃えるタイプみたいで

看守にすれば自分の見張りの日に逃げ出されたら自分の出世の道が閉ざされるので気が気でない。

白鳥はそんな心理すら利用して看守に「おまえの見張りの日に逃げるぞ」と脅すのである。

超人的な身体能力と厳重に見張られるほどに脱獄に燃えるパッションは日本昔話みたいだ。

白鳥由栄 - Wikipedia

それでも手錠のネジを回すために歯はぼろぼろになっていたとか、

最終的に看守側があきらめて普通の警備にしたら模範的な囚人になったとか、

いろいろと考えさせられる。

 

それでだ、

別に自分はそういったストーリーに気をひかれたわけではなくて、

あぁアイツか!という知識の接着を感じたのである。

昨年から電子書籍でマンガを大人買いしているのだけど、

ゴールデンカムイ」(集英社)というマンガにこれをモデルにした人物が出てくるのである。

作中では白石という名前だが、関節が外れて網走刑務所から脱獄してきたという設定は白鳥そのものである。

 

そもそも「ゴールデンカムイ」を初めて読んだときに

主人公の杉本も「不死身の兵隊」という設定で、こんな二つ名の兵隊が戦争の本に出てきたなと思ったらやっぱり舩坂 弘という実在の日本兵のことだった経緯があって、

知識を貯めておくとこんなこともあるものかと悦に入ったのであった。

舩坂弘 - Wikipedia

 

このマンガ、ほかにも新選組土方歳三永倉新八がでてきて、当時ちょうど司馬遼太郎燃えよ剣」を読んだ後だったので、

歳、生きとるやないかぁ!

と勝手に興奮した覚えがある。

 

そんなわけで、にわかに最近の読みものの情報がくっついて、

頭の中でクラスターができるみたいな気持ちがする。

神経細胞がピロピロ伸びて、奇跡的に脳内でほかの細胞とくっついたような

静電気が走る感覚である。

こういうのが本を読むモチベーションになるので、

これからも頑張ろうと思った。

 

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