希望の塾とエクソダス

今年のトピックのひとつとして、小池都知事の就任があげられる。

 

政治についてとやかく言うほど詳しくないのだが、

イギリスのEU離脱とかトランプ当選とかと並んで、

舛添前知事の退任は国民の声がストレートに政治に影響した例だと思う。

めちゃくちゃ騒がれてはいたが、舛添さんは法に触れることは何もしていないので、

やめるまでに至ったのは理不尽だという話をどこかで読んだ。

 

国民の意思で国が動くというのは、

普通の人間は真っ当に聞こえるのだろうか。

今年の一連の国民投票の結果を見てきて、自分はすごく怖い。

最近、天皇の生前退位の話で、

国民の過半数以上は生前退位に賛成という報道がたびたびなされたけれど、

有識者会議では賛成反対がほとんど五分になったという。

そもそも国民の何%が皇室典範の内容について知っているのだろうか。

どれくらいの国民が天皇の仕事を理解しているのだろうか。

 

知らないことに意見を言う行為は、自分はすごく嫌だ。

しかし今の時代、知るべき分野はとても多く、そしてどこも深い。

 

小池知事の行動でひとつ「ほほぅ」となったことがあった。

新しく開いた政治塾の名前を「希望の塾」と名付けたことだ。

都民が政治に希望を持てるように、みたいな理由だったけど、

自分は村上龍の「希望の国エクソダス」を思い出した。

 

この国(日本)には何でもある。だが、希望だけがない。

作中ではそう語られていた。

この話は頭の切れる中学生たちが暴動を起こして、

共同体を組織し、資金を集め、日本経済をぶっ飛ばして

北海道に自分たちの国を建てるという、めちゃくちゃ面白い話なんだけど、

中学生たちの行動理由が、

今の日本じゃどうにもならんという閉塞感に満ちた諦めの気持ちなわけで、

要は希望がないからだ。

 

それが昨今の日本の停滞と重なって、

今の若い人たちは生まれてからずーっと不景気でそんな感情をもってるんだろうなぁ、

というひんやりした感情を、希望の塾の創設で思い出した。

 

希望の国エクソダス」を読んでびっくりなのが、

これがリーマンショック以前に書かれていること。

てっきりそういった経済危機を意識して作られたと思ったのに、

逆に近未来の危機を先取りしていておったまげた。

これを読んで経済にも興味をもてたので自分にとっては大事な1冊。

 

話題がコロコロ変わりましたが、

自分は村上春樹村上龍も大好物です。

 

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