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知るべきか 知らざるべきか ヒトの性(書評:言ってはいけない 残酷すぎる真実)

本紹介

「言ってはいけない 残酷すぎる真実」 橘 玲 新潮新書

本屋に平置きされているところをポップや帯の煽りに引かれてつい

完成度:4 有用度:4 わかりやすさ:3 総合評価:3

 

政治家なんかが口にしたら失言扱いされて辞任に追い込まれるような、

生物学的に立証された文化的にタブーなことが書いてある本。

人種の差や動物行動学的なレイプ、IQの遺伝、遺伝子か環境かといった刺激的な項目立て。

こんな内容はテレビでは放送できないし、こういったコンテンツは紙に軍配が上がりそう。

 

「はじめに」で、「これは不愉快な本だ。」と説明されている通り、

あんまり信じたくはないヒトに関する研究データを紹介している本。

たいていネガティブで気落ちする事実が多いのだけれど、

例えば、アメリカのジェンセンという人の論文から、

黒人やメキシコ系の人は概念理解レベルが低いため幼児教育に力を入れても効果が薄い、

という(遺伝学的)真実を書くだけで終わらずに、

貧困家庭(黒人・ヒスパニックが多い)就学支援政策が教育関係者の巨大な利権になっているからやめるべきだ、という政策的な意見(データからの応用)があがったことまで記述していて、

ただの暴露本みたいになっていなくて読む価値があったなと思った。

 

個人的には最後のほうの性格に影響が大きいのは遺伝か教育かという問題で、

ヒトという生物としての生存戦略を踏まえたうえで、

子供への影響が大きいのは○○だった! というのが腑に落ちたし、

新鮮な意見だったので脳がぴくぴくした(気になる方はよんでみよう)。

 

1点、理系人間として注意したいのだけれど、

こういう科学的な本、あるいはワイドショーの環境汚染問題とかでも気になるのだが、

科学的に意味があるのは有意差が認められたときなのであって、

「こんな数値でたんです!」ということ自体に意味はないってこと。

 

この本のウィークポイントは一部にややこしい評価基準が使われてて、

その説明が薄いためにどれだけ信用に足る情報かわからない点にあると思う。

個人的には「相関係数」という数字に因縁があって、

これに差があるから~のような説明には「おいおいっ」ってなった。

まぁ一般向けの新書ですから小難しいことを書くわけにいかないのもわかる。

 

ただ、豊洲の地下水問題とか、遡れば原発問題とかもなんだけど、

一般の人はもう少し科学リテラシーをつけないといけない時代だと思う。

本来ならマスコミがもっとわかりやすく中立で適切な説明をしていって、

市民を育てるべきなのではないのでしょうか。

 

話が変わりましたが、そういう説明しきれてない点と、

現実的に日常で口に出せない内容ばかりなので、総合評価はふつうにしたものの、

新書としては「当たり」判定っす。

 

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